第3回 2007.Feb.1 金子信造
1.始. 礼 (正面、 互いに)
2.準備体操
3.実技
@ 交叉取一教(外旋)
気結び 取は受けの腕の外側に、三角に入り身して、腕を差し延べて交叉で手首を受けに捕らせる。受けが掴まなかったら、すかさず当て身する。腕を差し伸べるときに息を吸い、5指をパッと開く。呼吸(水・火)は副交感神経の働きとして、吸うときは筋肉を緊張させ、吐くときは緩める働きがある。短く吸って受けの重心を、わが丹田に吸い収めたら、息を吐き、気を出す.手の指を開くのは藤田師範が「グーとパー」で説明しているように、握れば屈筋が働き、開けば伸筋が働いて呼吸力が出るからである。開祖は「三千世界一度に開く梅の花」(梅の花弁は5枚)といって、開いて見せた。
合気 受けの外側に三角に入って、捕らせた手を手刀にして吾が正中線前で受けの手首の尺骨側にあてる。受けの肘は外旋して腋が開く(腋肋線が伸びると体軸が崩れやすくなる)。取は反対側の手で受けの肘を吾が正中線前で親指を曲池に差し込んで掴み、同時に握らせていた手首を虎口に押し当て受けに向けて突き伸ばせば、受けの手は開いて握りが外れるので、その手を受けの握っていた手の甲にかぶせ二教どりに掴む。ついで受けの肘を受けの顔面にブッカケて、そのまま吾が丹田下に納める。つづいて受けの腕を槍(宝蔵院の槍―開祖)に見立てて、受けの丹田を刺し貫く、この時、相手に近い足で受けの横腹を蹴破るように前進し、受けをうつ伏せにし、把った腕を受けの体軸に90度以上頭上に開いて固める。ここまで一息に(息を吐きつづけ)て極める。
稽古法 以上は「固い稽古」の代表的な例である。合気を会得するに単に力を抜いてフワフワしたり、一息に極めないで変化技、連続技にはしる人がいるが、戒めなければならない(二代道主)。合気の感覚が身に付かないのに動き方の形ばかり追うのは、町内の盆踊りのように手振り足ぶりの見ばえをおうことで、技への道は遠のくばかりである。今の段階では変化・連続ということは技が極まらないから他の動きに変わることで、失敗の変化・連続でしかない。一つの技は一つで極める覚悟がいる。気結び、合気をこそまず学ぶのである。(触れたら合気する)身体に合気を練りこんで、変化・連続を思うがままに(動けば合気になる―開祖)にすることが目標である。
「60年の固い稽古でいまのわしがあるのじゃ」―開祖。
とりあえず固(剛)体、柔体、流気体の稽古の概念をイメージするために、図示化して示す
宇 宙 |
|||
一 霊 |
四 魂 |
三 元 |
八 力 |
一元の大神 |
奇 魂 荒 魂 和 魂 幸 魂 |
剛体(生産霊) 柔体 (足産霊) 流体 (玉留産霊) |
解 凝 動 静 引 弛 合 分 |
開祖はこれを「科学する」と言っておられるが、自然科学的に解釈すると
宇 宙 |
|||
宇宙の根源 |
宇宙を支配する基本的な四つの力 |
物質の三態 |
八 力 |
超ひも (スーパーストリングス) |
(原子核の核子を結びつける力としての)強い力 (素粒子の崩壊を引き起こす力としての)弱い力 電磁力 重力 |
固体 液体 気体 |
上に同じ(記入略) |
開祖は「古事記」を神典とし、言霊学で解説しておられるが、そのままでは、吾が理解に及ばないので、まず、科学する前に「哲学する」必要がある。次回以降の課題とする。
以下今回の稽古予定のみ記す
A 片手取り二教(外旋)
B 〃 三教(外旋)
C 〃 回転投(外旋)
D 〃 入身投(外旋)
3.礼 (正面、 互いに) 了